ジムソン設計「ストーニイウェル・コテージ」

ドリトル先生   犠牲の花嫁
田園住宅
「スケール感がある。堂々としている。それに外壁のテクスチャー、色合いが何ともいえずいい。黒っぽい自然石を乱積みにした荒々しい感じの外壁が、立て掛けた屏風のように折れ曲がって低く立ち上がっている。プランは独特で、"N" の字の両端を引っ張って伸ばしたような平面である。二階建てだが上階はほとんど屋根裏部屋である。その二階を覆う急斜面のスレート瓦の屋根と白いペンキ塗りの開き窓のある屋根窓。これこそまさに大地のなかから、生えだしてきた建築ではないかと、のどの奥のほうで小さくつぶやく」
平面図
「玄関の奥で、壁や踏み板を真っ白な漆喰で塗った魅力的な螺旋階段が階上の部屋に向かっている。その横を左に数段のステップをのぼると居間に出るらしい。案内されて、イングランドの伝統的な民家にあるような構成とスケールの、天井の低いその部屋に入る。ここでも白い壁、同じく白く塗った天井の床梁と根太。部屋の一番奥に二階の寝室へ行く階段があって、それも真っ白だった。溜め息がでそうなほど居心地のよさを感じさせる空間。ある種の胎内感覚に通じそうなくつろぎを約束する小宇宙。あの大きな石積みの煙突の下の暖炉に火を燃やして、はじける薪の音を聞きながら、冬の夜を過ごしたら、さぞかし快適だろう、などと考える」
長谷川堯「建築逍遙」
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