宮澤賢治「業の花びら」

l c r
業の花びら

業の花びら(遺稿)

夜の湿気と風がさびしくいりまじり
松ややなぎの林はくろく
そらには暗い業の花びらがいつぱいで
わたくしには神々の名を録したことから
はげしく寒くふるへてゐる

大正十三年十月五日

雑誌「四季」掲載(昭和十年)

homegallerynotes

home

notes17

gallery17