寺山修司 目つむりてゐても吾を統ぶ五月の鷹
五月の鷹はつねに私を統べてゐた。目をつむりてゐても、目をみひらいてゐても。それはかつて青春といふおごりの中にゐた少年のもつ特権だつたのであらう。 私がこの句をよんで連想したのは、ヴェルレーヌの詩とショパンの前奏曲・第一曲であつた。それは青春が過ぎ去つた現在に至るまで変らぬ感情である。
選ばれてあることの恍惚と不安と双つ我にあり ポール・ヴェルレーヌ