登録商標〈ジョン・コルトレーン〉

ピアノソナタ109   ヴァントゥイユ邸
ジョン・コルトレーン

物理学では、永久運動は否定されてゐるが、モダンジャズの世界ではどんなものであらうか。少なくとも彼、ジョン・コルトレーンは、永久運動を実現すべく努力してゐたやうに思はれる。その努力の最初の成果といふべきアルバム「Giant Steps」は、一曲一曲の短さとその純粋性によつて、ある種の価値を持つた。しかし彼は今度はソプラノサックスを握りしめた。そしていつ果てるともしれないチャルメラ色のタピスリーを繰りひろげるに至つたのである。
まはる回る廻るまはる、まはる回る、まはつて廻る回る回る、まはる…

「栗鼠が車のなかへはいると、車は猛然と回りだす。彼は駆ける駆ける。車は回る回る。まるで扇風機のように。そのなかから、彼の永久の疾駆の格好が商標のように浮き出してくる」
梶井基次郎「栗鼠は籠に入つてゐる」

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