フィリップ・ジョンソン「タウンハウス」

縷紅新草 0 ローレンスパークの想い出
タウンハウス
「もともとは馬車小屋だったというそのスペースは間口七・五メートル、奥行三十メートルの細長い長方形で、両側を隣の建物に挟まれています。
まず、その長方形を大中小に三分割して、中ほどに浅く水を張った《中庭》を設け、その手前に居間・食堂を、奥に寝室部分を振り分けました。
それからジョンソンがしたことは、両側の馬車小屋時代の煉瓦を白く塗装してそのまま内壁として使ったこと、地下室と二階を設けたこと、居間の壁の一部に古い壁と同じ風合いの煉瓦で暖炉を造ったこと、凝った照明を目立つことのないように施したこと、そして、特別にデザインした家具を配置し、程良いところにジャコメッティやマリノ・マリーニなどの彫刻の名品を置き、壁には選りすぐった現代絵画を飾ったこと……。
結局、したことといったら、たったそれだけでした。
この建物には、建築が建築であるために不可欠な要素が最小限にして、しかも、あますところなくそろっていました」
中村好文「建築巡礼」、 寝室から池をへだててみた居間
タウンハウスプラン
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