ウルダルの泉 |
||||
「オフィオーク王が魔法使いヘルモートと別れた日から、十三かける十三回目の月が経ちました。そうして素晴らしい光景が始まりました。魔法使いが雲に乗り、精霊たちを従えてこちらへやってくるではありませんか。ヘルモートが水晶のプリズムを空中高く差し上げると、すばらしく美しい泉が湧き上がり、飛沫をあげ始めるのでした。水晶のプリズムが泉に溶けて消えていった時、王と王妃は長い魔法の夢から目醒めました。二人で水面を覗き込み、あらゆる自然と自分自身の姿が映っているのが見えたとき、生命と喜びに満ち溢れた世界が明らかになったのです。二人は叫びました。 「わたしたちはいままで重苦しい夢の世界にいたのだ。今や、わたしたちは自分のなかにある自分を知った。もうみなし児ではない」 こう言うと二人はお互いの胸に倒れ込むように、抱き合うのでした」ホフマン「ブラムビルラ王女」
「芸術家とは二重性があつて、しかも自らの二重性のいかなる現象も知らないことがないといふ条件においてのみ芸術家となる」 ボードレール
|
||||
home notes4 gallery4 |